フラッシュクラッシュとは?FXで起こる原因や対策、過去の事例を紹介

FXのフラッシュクラッシュ アイキャッチ画像

FXトレードを長くやっている人は、何度か「フラッシュクラッシュ」に遭遇しているはず。

運良く回避できたなら幸いですが、ひとたび遭遇してしまえば資金が溶ける可能性大です。

大災害みたいなものですね。

そこでフラッシュクラッシュとはなんなのか?過去にどんなフラッシュクラッシュがあったのか?について簡単に紹介していきます。

フラッシュクラッシュとはどんなもの?

フラッシュクラッシュは瞬間的な暴落のこと。

ネーミングのとおり、カメラのフラッシュが光ったと思ったら次の瞬間すべてが崩壊していた、という対処不能な一瞬の出来事です。

わずか数分の間にポジションを持っていた通貨が暴落することでロスカットされてしまい、残高が溶けてしまいやすくなります。

最近あったFXのフラッシュクラッシュの事例

  • 2020年3月9日ドル円でフラッシュクラッシュ発生
  • 2019年1月3日 ドル円と豪ドル米ドルでフラッシュクラッシュ発生
  • 2016年10月7日 イギリスポンドでフラッシュクラッシュ発生
  • 2015年1月15日 スイスフランでフラッシュクラッシュ発生

2020年3月9日 ドル円でフラッシュクラッシュ発生

直近では2020年の3月9日にドル円の通貨ペアでフラッシュクラッシュが発生しています。

このときは短時間に1ドル104円から101円台まで急落しました。

この年はコロナが広まり出した年。

2月頃からちらほら報道されるようになり3月9日には市場に影響を与えるほどの大騒ぎになっていました。

2019年1月3日 ドル円と豪ドル米ドルでフラッシュクラッシュ発生

最近の事例では2019年1月3日にこの現象が起こりました。

当時、108.9円をつけていたドルが104.8円になっていることを年末年始の休暇中に知り、強制決済されていたことにショックを受けた人も多かったのではないでしょうか。

一瞬で400pips以上もの値動きが発生したわけですね。
(ドル円の1pips=0.01円)

そしてオーストラリアドルと米ドルの通貨ぺア(AUDUSD)も500pipsほど下落しています。

原因はアップル社の中国市場での不振による業績下降修正を発表したためだと言われています。

とくにAUD(豪ドル)は中国への依存度が高く影響が強く出たようです。

日本人トレーダーの多くが売買する通貨ペアだけに被害は大きかったはず。

FX自動売買ツール(EA)を動かしていた人はおそらく資金を失っているでしょう。

裁量でトレードしていた人も溶けたか大ダメージを受けているはずです。
(もちろん爆益だった人もいると思いますが)

FXをしていると、正規にトレードして利益を出せるようになっていても、このような現象が起こってしまった場合、すべてが一瞬のうちになくなってしまい、ト

レードから撤退を余儀なくされたトレーダーたちもいたでしょう。

FXをしているときに何が恐ろしいかというと、このような一瞬のハプニングで資金を失ってしまうことなのです。

どんなに気を付けていても、きちんとトレードしていてもこうした出来事に襲われることで一瞬で資金がなくなってしまうのです。

当時、なんとなくスマホを見たらロスカットされていたことで大きなショックを受けたトレーダーたちは多かったようです。

このフラッシュクラッシュが起きたときのSNSでは「1300万ほど強制ロスカットされていた」という人や「残金が0になってしまった」という投稿がインスタグラムなどに寄せられました。

気が付いた時には資金がなくなってしまいショック過ぎて何も考えられなかったという声も多くありました。

この現象はたった数分の間に起こり全てを一掃してしまいました。

恐ろしいですね(汗)

2016年10月7日 イギリスポンドでフラッシュクラッシュ発生

2016年10月7日の日本時間の午前8時頃にGBP(英ポンド)でフラッシュクラッシュが発生しています。

このときのGBPUSD(英ポンド/米ドル)はわずか数分の間に約6%下落しました。

外国の通貨同士だとわかりにくいんですが、ドル円で考えた場合1ドル=100円から6%下落したら6円(600pips)ですからね。

それくらい大きな値動きが発生していたわけです。

ただしこれらのフラッシュクラッシュよりも恐ろしいフラッシュクラッシュがスイスフランで起こっています↓

2015年1月 スイスフランでフラッシュクラッシュ発生

フラッシュクラッシュは正月明けなどのタイミングで起こりやすい異常事態なんですが、2015年1月に起こったスイスフランのフラッシュクラッシュは日本時間で15日の木曜日に起こりました。

要因はスイス中央銀行(SNB)が、EURCHF(ユーロフラン)のレートで「1.2」を防衛しないと発表したため。

それまではEURCHFが1.2CHFを下回らないように為替介入していたため絶対に下がらない状態だったんですね。

それがなくなったことから一気に買いが集中して急落してしまう結果に。

被害の詳細は不明ですがドル円ほど売り買いしているトレーダーが多くない通貨ペアなので日本人トレーダーの被害は小さかったはず。

ですが短時間に30%以上も為替が動いています。

1ドル100円のUSDJPYで考えると30円も下落したわけです。

過去最大のフラッシュクラッシュと言えるでしょう。

このとき爆益だった人は1000万単位で稼いでそうですね。

逆方向にポジションを持っていた人のほとんどは資金を失っているでしょう。

 

直近だけでも4件のフラッシュクラッシュが発生しています。

単純平均すると2年の1回ペースですね。

ではこのようなフラッシュクラッシュはどうして起こるのでしょうか。

その原因を見ていきましょう。

フラッシュクラッシュが起こる原因は?

フラッシュクラッシュの原因

この点についてははっきりとした原因は示されていませんが、いくつかの出来事などが要因として挙げられます。

市場参加者が少ない時期に起こりやすい

上で紹介したドル円のフラッシュクラッシュ事例では発生したのが1月3日のこと。

完全に正月明けなので年末年始でトレードに参加する人が少ない状況でした。

東京市場はお正月なので休みとなっており、ニューヨーク市場は取引時間が終わっていました。

オーストラリア・ニュージーランドのオセアニア市場は始まっていましたがこれら市場は普段から参加者が少なめです。

それが正月明けでさらに過疎っている状況ですね。

そんな市場では誰かが大きな売りを行えば一気に下がりますし、買いを行うと相場が上がるという状況だったのです。

そして2019年1月3日の午前7時過ぎ、ドル円は108円を割り込んで一気に104円台後半へと突入していきました。

多くのトレーダーたちにとってはこのようなことは想定外だったでしょう。

正月早々に泣く泣く現実を受け入れた人も多かったのではないかと思われます。

損切りが多発した

ほかにもフラッシュクラッシュの原因として損切りが多発したことも挙げられます。

相場の下落は投資家たちの損切りがもたらした結果でもあるともとらえられています。

損切りラインをあらかじめ指定しておく注文によって損切りが多発し、あっという間に相場が下がってしまったのです。

つまり参加する人が少ない状況の中で大きな売りが起こり、相場が下がったことによって損切りが多発、それがさらなる相場の下落を招く負の連鎖が起こったわけですね。

そのためわずかな間に急落するというフラッシュクラッシュが起こったと考えられます。

AIが原因ともいわれている

フラッシュクラッシュの原因はAI?

上の欄で大規模な損切りが起こったと書きましたが、そうなるとだれがこのような売りを仕掛けたのかといったことになります。

この点について具体的には公表されていませんが、ファンド(投資会社)が利用するAIプログラムがこうした現象を引き起こした原因ではないかと考えられています。

投資家たちのトレードはAIによって投資管理が行われており、AIによって大量の売りが仕掛けられたという説です。

AIは独自のアルゴリズムによって相場に影響する様々な事象を瞬時に判断していきます。

そうした事象の影響を受けて、大量の売りを判断し、そのことが急落を引き起こした原因となっていると言われているわけです。

FX相場を襲ったフラッシュクラッシュにはこれといったはっきりとした原因はないといわれていますが、これらの要因が総合的に影響し、わずか短時間で一気に相場の下落がもたらされました。

このようなハプニングがFXではしばしば起こり得ますので、トレードを行う場合、通常のトレードに関する注意を払いながら、こうした特別な理由によって急激な相場変化が起こりうることに対しても注意を払っておく必要があります。

一瞬の出来事で大切な投資資金を失わないために何ができるのかについて、実際に起こってショックを受けるより前に対策しておくことが大切です。

フラッシュクラッシュによってトレードから撤退するFX投資家たちもいますが、複数口座を設け、こうした出来事に備えてリスク分散できるようにしておけるFX会社もあります。

もしこれからトレードを始めるならこうしたハプニングに対応できる方法を見つけ、口座を選んで開設するようにしましょう。

備えあれば患いなしといったことわざがあるように、しっかりと備えておくことが推奨されます。

フラッシュクラッシュが起こりやすい時間帯は?

取引量が少ない時間帯が危険です。

長期休暇明けは要注意ですね。

上で紹介したフラッシュクラッシュの事例では早朝のアメリカ市場がクローズしオセアニア市場オープンしたタイミングが多いです。

また正月明けのように長期休暇明けのタイミングも要注意です。

ゴールデンウィークなどは日本固有の長期休暇なのでフラッシュクラッシュが起こるほどの影響力は低いものの、年末年始や8月のバカンスの時期(海外トレーダーが休む)などはFXトレード自体をしないほうが安全です。

フラッシュクラッシュが起こりやすい通貨ペアは?

FXの為替相場が動くのは世界中のトレーダーが売買しているから。

そしてフラッシュクラッシュは相場が急変動することが原因です。

というわけで市場参加者が少ない=取引量が少ない通貨ペアはフラッシュクラッシュが起こりやすい環境が整っています。

たとえば世界で10万人が売買している通貨ペアより1000人しか売買していない通貨ペアでは大口取引が1件発生しただけで為替に大きな影響を与えます。

故意に仕掛けてくる悪質な大口投資家がいないとも限りません。

FXトレードで扱う通貨ペアには大きく分けてメジャー通貨とマイナー通貨にわかれます。

マイナー通貨はよりフラッシュクラッシュの危険性が高いと言えるでしょう。

そのためFX初心者の方はマイナー通貨に手を出さないことをおすすめします。

売買するとしても知識を身につけてからがいいですね。

メジャー通貨の種類

  • USD(アメリカドル)
  • EUR(ユーロ)
  • JPY(日本円)
  • GBP(イギリスポンド)
  • CHF(スイスフラン)
  • AUD(オーストラリアドル)
  • CAD(カナダドル)
    など

上で紹介したフラッシュクラッシュ事例にUSD/EUR/CHF/JPY/AUDが含まれているので絶対安全ではありません。

ですがこれら通貨ペアは売買量が多く変動が穏やかな傾向です。

早朝や長期休暇明けなどのタイミングをしっかり外せばフラッシュクラッシュ被害にあう可能性は減らせるでしょう。

マイナー通貨の種類

  • TRY(トルコリラ)
  • ZAR(南アフリカランド)
  • MXN(メキシコペソ)
  • CNY(中国人民元)
  • HKD(香港ドル)
  • SGD(シンガポールドル)
    など

これらの通貨ペアは取引量がメジャー通貨に比べると少なめです。

その上で市場参加者が少ない時間帯にトレードしてしまうとフラッシュクラッシュ被害にあう可能性も高くなるでしょう。

なおトルコリラや南アフリカランドといった通貨は買い注文するとスワップポイントと言う金利で稼ぎやすくなっています。

そのため日本人トレーダーでも長期保有する人をけっこう見かけます。

ただしフラッシュクラッシュによる急落の可能性もあるハイリスクな通貨ペアとなります。

スワップポイント狙いで取引するならあまり欲張らずこまめに利確していくことをおすすめします。

FXでフラッシュクラッシュの被害を避けるには?

FXのフラッシュクラッシュ対策

ここまでに紹介してきた内容を総合するとこんな対策が考えられます↓

主なフラッシュクラッシュ対策

  • 長期休暇前に全ポジションを決済しておく
  • 重要指標発表の前までに全ポジションを決済しておく
  • 取引量の少なすぎる通貨ペアは避ける
  • 短期売買手法でトレードする
  • 注文ロット数を抑える

長期休暇前に全ポジションを決済しておく

長期休暇明けの早朝はフラッシュクラッシュ発生確率の高い時間帯です。

市場がクローズしてしまうと持っているポジションを手放しようがないため一番危険な市場オープンを座して待つしかなくなります。

市場が休みに入る前に必ず精算しておきたいですね。

なお海外FXを利用しこういうタイミングを狙って両建て&ゼロカットを悪用する人もいますが、利用規約で禁止されています。

バレればアカウント凍結になる可能性大なのでやらないでくださいね。

重要指標発表の前までに全ポジションを決済しておく

上のフラッシュクラッシュ事例で紹介したアップルの発表のように予期しないタイミングのものはどうにもなりません。

ですが為替市場に影響力の強い定期的な掲載指標発表は時間が決まっています。

99%フラッシュクラッシュのような急変動は起こりませんが、極端に予想と離れた数字が発表されると急変します。

できるだけ影響力の強い重要指標発表前までには持っているポジションを精算しておくことをおすすめします。

取引量の少なすぎる通貨ペアは避ける

スワップ狙いなど目的を持って保有している人はいいのですが、FX初心者の方がトルコリラや南アフリカランドなどのマイナー通貨でトレードするのはおすすめしません。

ちょっとした大口の注文が入れば簡単に大きな動きを見せてくるためフラッシュクラッシュのリスクが高いです。

短期売買手法でトレードする

スキャルピングやデイトレードのようにその日のうちに注文から精算まで済ませてしまうトレード手法なら安全性は高くなります。

フラッシュクラッシュを避けるにはとにかくポジションを持っていなければいいだけですからね。

短期売買であればリスクは大きく減らせるでしょう。

注文ロット数を抑える

上の事例で取り上げたスイスフランのフラッシュクラッシュレベルが起こると厳しいんですが、500pipsくらいの急落なら注文ロット数を小さくしておけば資金の全損を防げる可能性は高くなります。

短期売買手法以外のスイングトレードやポジショントレード主体でFXに取り組む人は、できるだけ注文ロット数を下げておくことをおすすめします。

まとめ

FXトレードにおける災害ともいえるフラッシュクラッシュについて紹介しました。

直近にあった2020年3月にものはまだ値動きが小さい方だったので助かった人もいると思いますが、過去にはもっと急変動した事例もあります。

そうなると多少多めな残高だったとしてもほぼほぼ溶けてしまうでしょう。

そうならないためにも、

  • トレーダーの参加者が少ない時期はトレードしない
  • 自動売買ツールなら停止しておく
  • こまめに別口座に資金移動しておく

といった対策が大事です。

年末年始や7月月末あたりから8月前半のお盆シーズンまでなどは安くトレーダーが多いのでフラッシュクラッシュになりやすい状況です。

そういった時期は一緒に休むつもりでいたほうがいいですね。