日本でも人気のある投資方法の1つ「FX(エフエックス)」。
FXはForeignExchangeを省略したもので通常は外国為替取引を意味します。
そんなFXにはいくつかのトレード手法があるのですが、チャート分析で使えるものに「フィボナッチリトレースメント」があります。
ここではこの「フィボナッチリトレースメント」とはどんな手法なのか?についてまとめました。
フィボナッチリトレースメントとはどんなもの?
フィボナッチリトレースメントとはチャート分析で使える法則性的なもの。
相場は必ず上下に波を形作りながら変化していきます。
そこで価格が上昇しているときに次にくる下落の波はどれくらい下がるのか、下降しているときは次の上昇でどこまで上がるのか、その目安を判断するときに使う指標です。
FXに限らず価格のチャートがある投資なら何でも使えるものですね。
チャートを見てどこでエントリーするのか?を判断するのに利用できる指標ですね。
この指標「フィボナッチリトレースメント」の使い方を解説する前に、基本的な知識を紹介しておきます。
知らなくても使えますが世界中のたくさんのFXトレーダーが利用している指標ですからね。
深く知っておくとより確信をもってエントリーできるはず。
ぜひ読んでおくことをおすすめします。
では「フィボナッチリトレースメント」の「フィボナッチ」と「トレースメント」はそれぞれどんな意味があるのか?を見ていきましょう。
フィボナッチとは?
フィボナッチとはイタリアの数学者「レオナルド フィボナッチ」が発見した法則性のことです。
1からスタートし前の2つの数字を足していくとできる数列のことを意味し「フィボナッチ数列」といいます。
またその割合から生み出されたものを「フィボナッチ比率」といいます。
フィボナッチ数列とは?
こんな感じの数列のことをいいます↓
- 1
- 1(0+1)
- 2(1+1)
- 3(1+2)
- 5(2+3)
※以後前2つの数字を足していく
この方式を続けていくと「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144・・・」と永遠に続いていきます。
義務教育を当たり前に受けている現代人からすると簡単な計算式すぎて「法則を発見」なんて大げさないい方に聞こえるかもしれませんね。
でも当時は画期的な発見だったようです。
そしてほとんどの人は「これが何なの?」って感じだと思います(汗)
一見何の意味もない数列にしか見えません。
ですが、自然界では割とよくあるパターンなんです。
花の花びらの数や種の数、植物の枝や葉っぱの数などがこの数列にある数字であることが多いんです。
花弁は3枚・5枚・8枚の花が多いですし、ヒマワリの種は21個→34個→55個とならんでいたりします。
そしてこの数列の比率をチャート分析に落とし込んで使えるようにした「フィボナッチ比率」があります。
フィボナッチ比率を知ろう!
上で紹介したフィボナッチ数列から計算してして算出される比率を割合に落とし込んだものを「フィボナッチ比率」といいます。
具体的には以下の割合です↓
- 0%
- 23.6%
- 38.2%
- 61.8%(23.6+38.2)
- 100.0%(38.2+61.8)
- 161.8%(61.8+100.0)
※これ以降も続いていきます
FXで使うときはとくに「23.6%」「38.2%」「61.8%」「100%」の4つが重要視されます。
また「161.8%」は黄金比ともいわれ、こちらもよく使われます。
株式相場は自然界と比較されることがあって、自然の中で形成してある比率はフィボナッチ比率と重なります。
自然界に発生しているものや、著名な成功を遂げた芸術品などは黄金比が採用されていると言われています。
従来から知られている黄金比とフィボナッチは関連性があると言われており、オーソドックスな使用の方法も黄金比が最適です。
使用するタイミングはトレンドを知って、トレンドが出ている際に使うと効率性が高まります。
ただし、トレンドが現われたとしても、それだけで右肩上がりの傾向を見せるとは限りません。
相場とは常に上がったり、下がったりする点を把握しておく必要があります。
大きく分けてアップしているものとダウンしているものがあり、ダウン傾向であれば今後上がる可能性が考えられます。
上昇中のトレンドは下がることを考慮しなければなりません。
アップ中とダウン中のものがどの程度戻してくるのかの予測を付ける技術があれば非常に便利です。
おそらくFXを行っているトレーダーの大勢は、その技術を活用したいと感じることでしょう。
そのシステムことがフィボナッチリトレースメントで、一時的に上昇や下降しているだけの押し目や戻ってくる値を数値化したものです。
トレースメントとは?
フィボナッチリトレースメントの「トレースメント(Retracement)」とは英語で戻り・引き返しといった意味になります。
よってFXではチャート上で表される価格の波の戻りのことですね。
チャートではこんな感じでロウソク足が波を打っています↓
そして一直線でどちらか一方に動いていることはありません。
必ず上下に波を作りながら価格変動している様子がわかります。
フィボナッチリトレースメントを使うと、波がどのあたりまで戻るのかの判断がしやすくなります。
フィボナッチリトレースメントとは?
数列からチャート分析で使える指標に落とし込んでいるフィボナッチ比率。
そして比率で取り上げた5つの比率に「50%」「200%」など区切りの良い割合や「100%-23.6%=76.4%」を追加したもの「フィボナッチリトレースメント」といいます。
- 0%
- 23.6%
- 38.2%
- 50.0% ※追加
- 61.8%
- 76.4% ※追加
- 100.0%
- 161.8%
- 200.0% ※追加
※これ以降も続いていきます
この比率はどれも世界中の多くのFXトレーダーがエントリーポイントに使う可能性が高くなると考えらることから指標になるわけです。
たぶんこの数字に何の意味も感じていない人が多いと思いますが、FXでは多くのトレーダーがどこで売り買いするのか?その判断基準をチャート分析を通じて予測することが勝つためのポイントとなります。
となるとこの際自分の考えは置いといて、ほかのトレーダーが反応しやすいポイントを攻めていくことが重要です。
ちなみにFXでフィボナッチリトレースメントを使うときは「リトレースメント=次の波がどこまで下がるのか(上がるのか)」を判断する指標として使うことが多いため、ここで上げた比率の中でも「38.2%」「50.0%」「61.8%」がよく利用されます。
チャートではこんな感じです↓
フィボナッチリトレースメントの詳しい使い方は後述しますが、0%からスタートして100%に達してから波が戻ってくるのはどの辺までかな?と予測するときに使えそうに感じませんか?
上のチャートではググっと100%のラインまで価格が下落してきて一旦上昇に転じている場面。
上昇中の波を見ると「50.0%」や「61.8%」のラインでロウソク足が反応している様子がわかりますね。
必ずピタッとジャストな位置で反応するわけではありませんが、おおまかにフィボナッチ比率のラインでトレーダーがアクションを起こしている様子はつかめるでしょう。
フィボナッチリトレースメント手法の使い方は?
フィボナッチリトレースメントの使い方のポイントは、チャートで価格が下落(上昇)してから一旦戻し始めたとき(下げたとき)にどのぐらいまで行くのかを知りたいかで決めます。
約40%の数値でストップしており勢いがある場合や、50%前後で今後戻す勢いを感じられるときなどが使いどころです。
一般的な使い方の他にもレジスタンスラインやサポートラインとしても使えます。
相場全体の状況を把握するための分析ツールとしても優秀ですし、エグジットやエントリーのタイミングを図る際にも使用可能です。
フィボナッチリトレースメントの引き方・使い方
フィボナッチリトレースメント指標ツールでラインを引く時の注意点
フィボナッチリトレースメントの引き方は上から下に引くケースと、下から上に引くケースの2パターン。
下から上に向かって引く上昇局面の場合は、トレーダーたちにすでに意識されている分かりやすい最高値を起点に、その地点から最も安くなる値を終点にします。
上から下に向かって引くケースでは、逆に最安値から最高値を終点をして合わせます。
ほかのトレーダーたちがあまり意識していない地点を始点にしてしまうと意識が薄い場所なので効果を期待できません。
ラインを引くときに大事なのは多くのトレーダーが意識しているかどうか、です。
わかりやすい最高値(最安値)を見つけて結んでいきましょう。
ここを間違えているとせっかくのフィボナッチリトレースメントも意味がなくなってしまいますからね。
ロウソク足の本体とヒゲはどっちを始点(終点)にすればいい?
上の画像ではフィボナッチリトレースメントの0%ラインはロウソク足の本体最安値、100%ラインは最高値になっているロウソク足の最高値を結んでいます。
ただしあくまで一例ってだけでこれが正解ではありません。
本体かヒゲ先端か?についてはどちらでもOKです。
トレーダーの考え方によります。
私もいくつかの塾に入っていたんですが、ある塾ではフィボナッチリトレースメントの始点はロウソク足の本体、終点はヒゲ先をルールにしていました。
また他の塾では始点も終点もヒゲの先端を使っています。
どちらがいいとも言えません。
そのチャート上で実際にフィボナッチリトレースメントラインを引いてみて反応しているポイントが多い方を選ぶものありです。
ただしFXで稼いでいくには自分ルールを作り上げていくことになります。
その中にはラインの引き方も含まれるため自分でどちらがいいか検証して勝率が高い方を選んで1つに絞るほうが個人的には良いと思います。
ちなみに私はヒゲ先を使っています。
(勝率が上がったとかではなくその塾のやり方ほうがわかりやすいから、が採用理由)
リトレースメント=リターンも計算しよう
フィボナッチリトレースメントの引き方のポイントは解説したとおりですが、さらに突き詰めるには何%のリターンがあるかまで計算するべきです。
トレンドに線を引いてから、約23%、38%、50%、61%、100%を起点にします。
代表して取り上げた数値がサポートレジスタンスで、38%の株式が50%まで反動したとき、その反動した傾向に継続性があるのかを見ます。
投資は心理戦なので、上昇または下降しているチャートの波がどの程度まで戻るのか?を常に把握しようとしているはず。
この投資家心理の傾向は黄金比、つまりフィボナッチ比率と重なることが分かっているためフィボナッチリトレースメントが活躍してくれるわけですね。
なおフィボナッチリトレースメントを使うときは、一方向へのトレンドが強いほど戻りが浅くなる傾向が見られます。
その場合は比率の中でも一番少ない数字である23.6%のラインの優位性を高く見る、といった見方もできます。
では実際に取引ツール「MT4/MT5」でフィボナッチリトレースメントの引き方を解説していきます。
取引ツールMT4/MT5でのフィボナッチリトレースメントの引き方
ここではMT4を使ってフィボナッチリトレースメントの引き方を解説していきますが、MT5でも同じような手順なので参考にしてください。
MT4でフィボナッチリトレースメントを引く手順
- MT4を起動する
- フィボナッチリトレースメントでラインを引くチャートをアクティブにする
- 「挿入」をクリック
- 「フィボナッチ」をクリック
- 「リトレースメント」をクリック
- チャート上で始点と終点に合わせてラインを引く
こちらは面倒な方。
もっと簡単に使うには「フィボナッチ」のアイコンをクリックしましょう↓
これですぐにラインを引けます。
その他のフィボナッチツールも知っておこう
上の欄でMT4でフィボナッチリトレースメントの引き方の手順画像で「フィボナッチ」のメニューは以下のようになっていました↓
- リトレースメント
- タイムゾーン
- ファン
- アーク
- エキスパンション
これらも全部フィボナッチを利用した分析手法です。
リトレースメントについてはこのページで解説したとおりですが、ほかのも4種類あることがわかります。
そこでリトレースメント以外のフィボナッチについても簡単に紹介しておきますね。
フィボナッチタイムゾーン
リトレースメントは比率を使ってラインを引きましたが、タイムゾーンはフィボナッチ数列を使います。
「1/1/2/3/5/8/13・・・」の数列ですね。
この割合でチャートの横軸=時間軸に対してラインを引きます。
フィボナッチタイムゾーンを引いたサンプルチャート
このチャートでは「0」から始まり「1 2 3 5 8」まで縦にラインを引いています。
このチャート上での最安値(始点、0の位置)から「1」まで進んだあたり(左から2本目の黄色い縦ライン)で波が反発しているのがわかります。
また少しずれてますが「2」のあたりでまた反転していますね。
その後の「3」でもわずかではありますが波が反発しています。
さらに「5」でも少し反発しつつその後上昇を続け「8」の位置でも強く反応しているのがわかります。
このチャートはたまたまタイムゾーンでわかりやすく反応していたパターンですが、このように多少なりとも意識される指標ではあるわけですね。
なおFXトレードではこのタイムゾーンだけでエントリーすることはまずないでしょう。
リトレースメントと組み合わせるなどいくつもの売り買いを決める判断基準の1つとして使います。
フィボナッチファン
タイムゾーンと同じように時間を意識しつつ角度も考慮した指標です。
安値と高値を結んだラインに対してフィボナッチ比率を元にしたラインを引いてくれる仕組みで上画像のような感じでラインを引きます。
このチャートでは61.8%のラインに沿いつつ上昇していっているためレジスタンスラインとして多少意識されているのかな?と受け取れますが参考程度ですね。
エントリーの加点要素としてもあまり強くはない感じと言えるでしょう。
なお比率を元にしたラインは描画ツールの設定で追加や削除可能です。
0%、23.6%、100%など自由に追加できますが、デフォルト設定では上画像にある「38.2%」「50%」「61.8%」の比率3つですね。
フィボナッチアーク
アークは円弧を意味します。
そしてフィボナッチアークはフィボナッチ比率を元に円を描写します。
よってチャート縦軸の価格と横軸の時間の両方を意識した分析が可能です。
安値と高値(逆もあり)の終点を中心に比率の距離に円を描きそのラインが意識されているかどうかをチェック。
意識されているようならエントリーの指標として使います。
フィボナッチエキスパンション
リトレースメントは上昇(下降)後の戻り幅を予測するのに使うものでした。
対してエキスパンションはその波がどこまで伸びていくのか?を分析するときに使います。
同じチャートでラインを引きてみると上画像のようになります。
黄色い横ラインは下から「61.8%」「100%」「161.8%」の3つ。
このチャートでは61.8%のラインがサポートになり何度も反発しながらさらに上昇し、再び「100%」のラインがサポートになって反発しつつ再上昇していっています。
「161.8%」のラインはあっさり突き抜けていますが、戻ってきたときにまたまたサポートラインとして機能しているのがわかります。
このようにフィボナッチ数列や比率を活用した分析方法はたくさんあり、取引ツールMT4/MT5内に標準搭載されています。
FXで稼ぐためにもしっかり活用していきたいですね。
まとめ
FXトレードでも良く使われる「フィボナッチリトレースメント」手法の特徴や使い方、チャート上でのラインの引き方についてまとめました。
一度読んだだけではすっと頭に入ってこないと思います。
また文字や画像情報ではわかりにくいって人もいると思うので、そんな人はフィボナッチリトレースメントについて解説しているユーチューブ動画をみてみましょう。
解説されている方がたくさんいるので検索してみてください。
コメント
コメント一覧 (1件)
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